2006年 06月 06日
せつない出来事 |
幼稚園の道すがら、近所に古いお屋敷があったのだけど、
住まわれていた方が高齢だったのか、
昨年の冬頃から売出になっていた。
家屋は古く土地も広く億の値段がついていてなかなか売れず、
結局取り壊して土地も分割してようやく片方が売れたようだ。
もう片方の土地は公園に生えているような
凄く見事な桜が四~五本あって、
桜を切らないと家を建てるスペースが
確保できない状態だったので
またなかなか買い手がつかないまま冬を越した。
庭に主がいないまま桜は春を迎えて見事に咲き誇っていた。
しかしこれが最後の春になろうとは。
先程通り掛かったら業者が桜を切っていた。
また帰りに通ったら枝は切られ、
幹だけになっていて画像の姿はもうなかった。
明日には幹も引き抜かれるのだろうか。
娘の一つ上の幼稚園のお友達の卒園式の日、
花曇りの日曜日。
とっても風の強い日だったけど
桜は咲いていた。
髪を風で吹きさらされてたスーツ姿のママたちと、
最後の制服を着た園児たちを
桜は見ていた。
桜が散り、歩道を転がる花びらをふと思い出して
きゅーんとしてしまった。
桜も迫りくる運命を感じて
最後の制服を着て「卒園」していったのかもしれない。
うちの上の娘の卒園と下の子の入園まで切るの待っててほしかった。
桜が切られる、
そのことにこの上なく悲しい感覚がするのはなぜだろう。
高校時代にも校舎改築で桜の古木が切られて
皆で残念がった記憶がある。
入学式には満開の桜、
自分が卒業するときには桜に見守られることはなかった。
すっかり桜のことは忘れて卒業したような気もする。
いつか今日切られた桜も、私の記憶から
消えてしまうのかなあ。
by idu_ism
| 2006-06-06 18:11